中国語リスニング本聴き比べ

いつものように、「個人的ランキング」と称して順位をつけようと思ったけれど、いずれも甲乙つけがたい、あるいは一長一短といった感があって、「お勧め度」で順番をつけるのが難しかった。だから初中級→上級(個人的判断による)の順で並べることにした。

◆『日記で学ぶ中国語日常表現』DHC(CD付)初級から中級
第一章は留学生鈴木君の上海日記、第二章は会社員中村さんの東京日記となっていて、話題は学校生活から、仕事、仕事、休日の過ごし方などで、日常表現がたくさん学べる。ただし、学生でも会社員でもない私には、今一つピンと来ない文もある。
でも、中国語本文(全部ピンイン付き)のフォントが大きくて、老眼にはうれしい。「基礎を一通りやり終えた学習者のため」の本と書かれているように、文法は一通り知っている前提だから、説明はほとんどなく、語彙を増やすことに焦点が合わされている印象。

◆『中国語解体新書』駿河台出版(MP3対応CD-ROM付)中級
サブタイトルに「語彙・文法・読解・リスニング強化が一冊でできる!」とあるが、文法はもう少し体系的な本の方が学びやすい気がした。文法というより、表現や言い回しについてまとめられている感じ。そのほかの三点については、効果があると思う。でも、一番よかったのは、一文が短く、話題が多岐にわたっていたこと。会話だけでなく評論文のようなものもあったのが個人的には〇。

◆『耳が喜ぶ中国語』三修社(CD付。DL可) 中級から中上級
今やっている本のうち一冊がこれ。会話だけの課がまったくないので、個人的にはとても好き。中検3級程度の耳慣らしから徐々にレベルアップ、最後は中級2級から準一級レベルになるという構成。まだ私は耳慣らしレベルだが、それでもかなり読み手の発話スピードが速く感じられる。一日一ページ(今のところ一ページに二課入っている)だと全部終わらせるのに半年くらいかかるが、健康の話から時事問題までと話題が豊富なので、毎日新しい課を聴くのが楽しみ。「聴き取れない部分がなくなるまで、音声を繰り返し聴きます」というのが本書のお勧めの使い方だが、なかなか全部は聴き取れない。それでも、楽しい!
一課ごとに、いくつかの単語の訳がついているが、全部ではないので、自分で調べなくてはならない単語もある。でも、適量なのでそれほど煩わしくないのがいい。

◆『聴読中国語』東進ブックス(DVD付) 中級から中上級
今やっているもう一冊の本。これは実に面白い。話題が豊富! たとえば今日の話はちょっとメルヘンチックな、「風だけがお友達というみなしご」の話。少し前には日本語と中国語の漢字についての評論もあった。実はずっと前に買ってあった本で、コンピュータでDVDを聴くことができなくて、あきらめていた。最近、Kちゃんに頼んでやっとコンピュータにダウンロードして聴き始めた。これは一日一課で2か月ちょっとで終わる「はず」の量。ただし、一課のボリュームが多いので、このペースなかなか難しい。今回紹介する本の中では、上記の本と並んで一番のお勧め! ただしこちらは一課分が長文
各課についている単語集はすべての新出単語が網羅されている。だから、一課からしっかりマスターしていれば、「新出単語以外は聴き取れるはず」ということになる。これはほかの本にはない特徴で、よい励みとなる。

◆『中国語検定2級トレーニングブック リスニング編』アスク 中上級
中検2級受験用のリスニング教材。試験と同じ形式の練習問題をひたすらやる。でも、これが意外におもしろくて、2回通してやった。本当はがっかりすべきなのだろうけれど、二回目にやったときには、一回目の答えをすっかり忘れていて、おかげで新鮮な気持ちでやれた。だから、モチベーションが維持できた。この本がよかったのは、すべて問題形式になっている点。「あっ、できた!」「あっ、だめだった!」というのが毎回刺激になる。

◆『長文読解の秘訣』アルク(CD付) 中級から上級への橋渡し
「珠玉の中国語エッセイで学ぶ」というサブタイトルにあるように、一人の作者によるエッセイで長文読解を学ぶ。一文ずつ細かく語彙や文法が説明されているので、読み解くことは比較的やさしい。でも、リスニングの練習に使うには少しむずかしすぎる(私にとっては)ように感じた。内容的にも「大人」の内容だし、作者の考え方や感じ方をある程度理解しないと、深いところまでは読み取れないし、リスニングはさらにむずかしいと感じた。でも全部で12章なので、頑張れば12日で終わらせることができる?!

◆『NHKワールド・ラジオ日本 中国語リスニング』語研(MP3CD付)上級
第一課を1週間くらいかけて聴いて、ギブアップした。アナウンサーたちはナチュラルスピードで、容赦ない。今のところ歯が立たないので、「いつか挑戦する」ということで、本棚に飾ってある。そういえば、日本語でもあまりニュースを見ないので、私はいわゆる「巷のニュース」というのには興味がないのかもしれない……と負け惜しみを言ってみたり。いつか再挑戦した時にまたレビューを書こう。

以上6冊。せっせと聴いて、少しでも中国語が聴き取れるようになりたい!