古琴曲『关山月』

今よく弾かれる古琴曲『关山月』は山東地方に伝わっていた民謡をもとに作られたと言われている。1931年に刊行された『梅庵琴谱』に、同名の李白の詩が付いた琴譜がある。

下のYouTube動画では一回目は古琴独奏、二回目が弾き語りとなっています。

比較的短い曲なので初心者レベルに位置付けられている楽譜集もあるが、簡単に弾けるかというとそうはいかない。特に、右手三本指をパラパラッと広げて弾く「轮」という奏法が多用されていて、その音をきちんと出すのが(当サイト管理人には)至難のわざ! さらに、李白の詩を歌いながら、本来の形で弾いてみたいなどという「野望」を持つと、完全に挫折する。でも、古琴の楽しみ方の一つである「琴唱」(弾き語り)を試してみるには最適だと思う。

李白の詩の意味はだいたい次のようではないかと思います。(管理人は現在中国語修業中)

明るい月が山の上にのぼり
藍色の雲海を照らす
風は遥か彼方からやってきて
玉門関に吹き付ける
漢の軍勢は白登山の道を進み
胡の兵は青海で様子をうかがう
ここは昔からの出征の地
戻ってきた者は見たことがない
兵たちは辺境の景色をながめ
望郷のあまり顔をゆがめる
こんな夜には高殿に
嘆息が途切れることがないだろう

(20210601)弾き語りの「野望」実現のために、歌の練習用に、歌詞を字幕につけた動画を作りました。よかったらご覧ください。(少し音が大きすぎたので、ボリュームにご注意ください。)