古琴日誌 (2) 古筝悦人、古琴悦己

中国ではよく、「古筝悦人、古琴悦己」(筝は他人をよろこばせるもの、古琴は自分をよろこばせるもの)と言われるのだそう。なるほど。本当にそうだなぁ……と思う。今日もまた「独坐弹琴」。

最近は10時半くらいに午前中の練習を開始することが多いのだけれど、今日はいろいろ用事をしていたら、あっという間に11時になった。

まずは、昨日管老師の音源と一緒に練習して、またまた未熟さを思い知らされた『广陵散』の「通し弾き」。夜の練習でこの大曲を弾くのは気力・体力的につらいから、朝元気なうちに!

それでもやはり、途中で集中力が切れた。切れると、今自分がどこを弾いているかわからなくなる。楽譜を見なおしたりしていて、あっという間に45分経った。今朝は頭痛がひどくて、それ以上は無理。ランチに突入。

午後は仕切り直しをして、指慣らしのためにまず『仙人操』をゆっくりと弾く。次は、日本の秋をなつかしんで、苦手な『梧叶舞秋风』。なんとか暗譜で弾けるようになった!

そのあと、この冬が終わるまでに、気持ちよく弾けるようになりたい『梅花三弄』。コロナのせいで世界中がずっと冬ごもりしている感じだから、「早く春が来ますように!」と祈りながら弾いた。

次に、昨日から復習を始めた『渔樵问答』。まだ出だしのところしか思い出せない! 漁師と樵(きこり)が、自然の中でせっせと仕事に励み、時にはのんびりと休みをとったり、問答や思索をたのしむ……中国の古人の一つの理想の生き方だったという話を先生から聞いた記憶がある。都会が大好きな私にはちょっと無理な生活だけれど、いまふと、「大自然の中で古琴を弾いたら、どんな音がするのだろう」と思った。

夜も『渔樵问答』。でも、始めるのがかなり遅くなったから、あまり練習できなかった。古琴は音が小さいから、大丈夫とは思うけれど、隣人たちに迷惑はかけたくない。