古琴曲『渔樵问答』

一般に中国古典十大名曲と呼ばれる曲の一つ。この十大名曲のうち当ウェブサイト管理人がこれまでに習ったのは、この曲のほかに『平沙落雁』『流水』『梅花三弄』の三曲。古琴曲ではあとかの有名な(!?)『广陵散』があるが、これはおそらくあと十年修業しないと手を付けることができないと思うので、ちょっと間に合いそうにない。

この曲の楽譜が最初に見えるのは明代に編集された楽譜集の中なので、その頃に作られたと考えられる。タイトルの通り、漁夫と樵(きこり)の対話がテーマ。昔の中国の多くの文人たちの理想は、自然の中で魚を採ったり木を切ったりして静かに暮らすことだったから、この曲は一つの理想を描いたものとも言える。実際、同じテーマで詩や絵もよく描かれている。

このビデオの中で演奏していらっしゃる龚一老师は、YouTube上で「古琴講座」をしていらっしゃる。中国語なので解説は95%理解不能なのだけれど、弾き方を見るのはとても勉強になる。この曲には30種類以上異なる楽譜があるそうだが、ここで使われているのは『琴学入門』にある、吴景略老师の演奏に基づいた楽譜。そのご本人の演奏もお聴きください。