去年(2024年)12月のはじめから、おさななじみのMちゃんが行方不明。それを知ったのは今年になってから。そっか、一か月くらい前に久しぶりに電話をしたときは、もういなくなっていたんだ……。
一年くらい前から認知症が進行して、介護1だか2の認定がついて、ヘルパーさんなどの訪問も含めて、自宅介護の体制が整ったところだったのに。やっぱり、他人が自分の生活に入ってくることがいやだったのかな?
「Mちゃん、とうとう本当にフウテンの寅さんになっちゃった」。行方不明の知らせを聞いた時、そう思った。昔、フウテンの寅さんのビデオを貸してもらった時、Mちゃんって、寅さんみたいだよなぁと思った。
20歳くらいの時かな、横浜の港に見送りに行ったこと、覚えている。船でヨーロッパに行ったんだったよね。フランスだったっけ? 同い年だけれど、Mちゃんと比べて子供だった私には、4か月年上の「お兄ちゃん」がすごくたくましく思えた。
シャンソンを弾き語ったり、詩吟を吟じたり、そばを打ったり、包丁を研いだり、多趣味のMちゃんは、あまりにいろんなことをやるので、レッスン代とか、電車賃とか大丈夫かなぁと、現実的なことを考えて少し心配になったこともある。でも、新しいことに果敢に挑戦していく姿は、すごくかっこいい。
高齢者の行方不明ってすごく多いことを最近知った。ほとんどは見つかるらしいけれど。寒い季節だから、すごく心配。でも、若い頃、あんなにたくましく生きてきた人だから、きっとどこかで自由気ままな生活を謳歌しているに違いない。そう信じている。Mちゃん、おたがいにがんばろうね!