古琴の不思議な楽譜


古琴の本来の楽譜は五線譜ではなく、漢字を使った「文字譜」だった。それが時代と共に漢字を簡略化した「减字谱」と呼ばれるものになり、現在もそれが使われている。かなり複雑に見えるけれど、一つの「文字」にいろいろな情報を盛り込んだその方法は画期的。そして、かなり論理的。

例えば、上の写真の最初の文字の中で、左上の「夕」は左手の薬指(中国語で无名指または名指)を使うことを表し、その横の「四」は、右から四つ目の印のところで弦を押さえる(この曲はここではハーモニクスを使っているので、正確には「押さえる」のではなく「触れる」)ことを表し、その下の「又」が三つと「ワ冠」の部分は、積み重ねるという意味の中国語「叠」の上の部分で、右手でどのように弾くか(二本の弦を人差し指と中指ですばやく弾いて四つの音を出す)を表している。そして、その下の四と五は第四弦と第五弦を弾くという意味――これだけの情報を一つの「文字」で表しているなんて、すごくありませんか? ハーモニクスはまた別に、ここからはハーモニクスですよ~という文字と、ここで終わりですよ~という文字がある。文字の種類はたくさんあるから、なかなか覚えられないけれど、少しずつ学んでいこうと思う。