『离骚』热带出版社

戦国時代、楚の国の愛国の政治家・詩人として有名な屈原(340BC-278BC)が書いたと言われる長編の詩『離騒』(屈原自身が実在の人物か、あるいはこの詩を書いたのは屈原かなど、諸説あり)。今日は彼の命日五月五日(旧暦)、端午の節句なので、未読だけれど手元にあるこの本を紹介する。

屈原は秦にだまされてばかりいる国王に何度も進言するが聞き入れられず、とうとう国王は囚われの身に。国の行く末を憂えた屈原は石を抱いて川に入水したという伝説がある。そのとき、人々が彼の魂を慰めるため、あるいは彼の身体が魚に食べられないようにと、お米を葉っぱに巻いて水に沈めたのが「ちまき」のはじまりとも言われている。また、シンガポールでも行われる、ドラゴンレース(龍の飾りのついた船の競争)の起源も、屈原の供養のために行われた祭りにあるそうだ。

この本はシンガポール国立図書館の入り口の横にある、「不要本交換コーナー」に置いてあって「ええっ!こんな本があるんだぁ」と思って、もらってきた。というのは、中国語原文に英語と、おそらくマレー語(「目次」がKandunganとなっていて、マレー語っぽい……)、そしてなぜかフランス語の翻訳がついていたのだ。原文は古代中国語(?)で、ばりばりの文語体だから、ほとんどわからないが!

英語訳文から察するに、「私は高陽帝の子孫で、父の名前は伯庸……」といった感じで始まっている。そして、最後は「もはや正しき政府のもとで働くことはかなわなくなったので、私にできる唯一のことは、かの殉教者彭咸の跡を追うことだけだ」と、魂の叫びで終わっている。すごい。

実は古琴にも『離騒』というタイトルの曲がある。もちろん、この詩に基づいて書かれたもの。叶うかどうかわからない夢だが、死ぬまでにいつか弾いてみたい曲の一つ。さあ、今日もがんばって『欸乃』練習するぞ!

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