『生き方』サンマーク出版

日本を代表する大企業、京セラ、KDDIの創業者にして、日本航空の会長も務めた企業人、稲盛和夫さんが書いた「生き方」。「ビジネスマン」嫌いの管理人がなぜこんな本を買ったかというと、本屋さんでパラパラとめくった時、最初に目に入ったのが次の一節だったから。「嘘をついてはいけない、人に迷惑をかけてはいけない、正直であれ、欲張ってはならない、自分のことばかりを考えてはならないなど、だれもが子どものころ、親や先生から教わったーーそして大人になるにつれて忘れてしまうーー単純な規範……」この一節を読んで、「まったく同感!」と思うと同時に、こんなことを堂々と本に書ける人ってどんな人だろうと興味がわいた。

出家をしているという稲盛さんの言葉。「ん?」と思った箇所もなかったわけではないけれど、あちこちに珠玉の言葉がちりばめられていて、本は付箋だらけになった。凡人にはとても届かない高みにいる人なのかもしれないけれど、それでも、生まれた時より少しでも「まし」な人間で死ぬことが人間に与えられた役目である、という彼の考えに従えば、まだ自分にも希望があるのかもしれないと思う。

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