5月半ばから復習を開始した『碧涧流泉』が、やっと楽譜をガン見せずに弾けるようになった。ていねいに弾き方を説明してくれた先輩と、不動の安定感の戴老師の演奏動画のおかげ。
この曲は宋の時代に作られたと言われている。「高速部」が挟み込まれた三部形式になっているのが特徴的。岭南琴派の代表曲だそうだ。この曲にまつわる歴史的エピソードは、南宋の末期、元が侵略してきた時、幼い親王とともに南に逃れた丞相が、最後に親王を背負って(抱いて?)入水したという話。平家の壇ノ浦での最後を思い出させる。
戴老師の吟や猱はとても真似できないし、私には「超高速」の第4段と第5段は、この曲のクライマックスとわかってはいても、もたもたする。要するに、いつものように「ただ暗譜できただけ」ということだけれど、もうすっかり忘れてしまったと思っていた曲を「復活」できたのはうれしい。