日本における古琴の歴史はウェブ情報で何度も読むのだけれど、年季の入ったこの頭にはなかなか記憶が定着しない。確か、遣隋使とか遣唐使の時代に伝来し、平安時代には貴族たちによく弾かれたけれど、一度すたれて、江戸時代に復活したというような感じだったと思う(あまりにざっくりした把握の仕方!)。
そんな記憶の中で、いつも思い出すのは、東皋心越禅師、浦上玉堂さん、ファン・ヒューリックさん、そして坂田進一先生だ。
ヒューリックさんのことは十数年前、坂田先生からお聞きした。その頃はまだ古琴の練習を始めていなかったかもしれない。というのは、まず読んだのはヒューリックさんが書いたミステリ(?)小説、『ディー判事』シリーズだったからだ。学生時代よく読んだハヤカワ・ミステリを久しぶりに手にした。
今では絶版になっているようだけれど、挿絵もヒューリックさんによるもので、私にとっては貴重本!
その後古琴を練習するようになってから、ヒューリックさんが書かれた古琴の本を読んでみたいと思うようになった。なかなか手に入れる機会がなかったが、今年になってやっと手に入れた。
下の動画は、この本の一部を読むという、あまり動画にする意味のない動画だけれど、一人でも多くの人にこの本のことを知ってもらいたい(古琴を弾く人はもうみんな知っている??)と思って作った。
この本はまだ少しずつ読んでいる最中。先を読むたびに、彼の知識の深さに感動する。全部読み切れるかどうかわからないけれど、心に残った個所に印をつけながら、じっくりじっくり読んで行こうと思う。
古琴の練習も同じ、じっくりじっくり。一音一音に意味があることを肝に銘じて、ていねいに練習したいと思う。