『人口論』講談社まんが学術文庫

イギリスの経済学者トーマス=ロバート・マルサス(1766-1834)によって書かれた『人口論』。たぶん高校生くらいのときに名前だけは習った。でも、書名から「人口に関する話だろう」ということを理解しただけで、それ以上の興味はわかなかった。

最近「ハマ」っている講談社のまんが学術文庫の最新刊がこの本だったので、早速買ってみた。漫画だからあっという間に読める。このシリーズの本を読むといつも思うのだが、いったいどれくらい原作を反映しているのだろう? 同じシリーズで出ている『罪と罰』は、記憶にある、原作を読んだ後の(といっても読んだのは半世紀くらい前だが)暗くジメジメした印象が、そのままによみがえってきた。でも小説とは違う、こういった「学術書」はどうなのだろう?……と疑問・興味を持ったら原作を読むべし!ということなのだろう。とくに『人口論』は、人口過剰や食料不足が問題となりつつある今こそ読むべき本かもしれない。

このシリーズは去年(2018)4月に創刊された。巻末にある野間省伸さんの「創刊の辞」は何度読み返しても感動する。まんがは大好きだ。このすばらしい媒体を使って、人類の叡智をできるだけ多くの人に伝えようという、講談社さんの意気込みが熱く伝わってくる。この言葉と、シリーズの創刊当時の帯に書かれていた言葉に魅かれてつい買い始めてしまった――「まんがでちゃちゃっと4000年!! 読んでおきたい人類の叡智を、面白く読破!」。

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