古琴曲『大胡笳』

久しぶりの古琴新曲! この数か月は、『离骚』をはじめとする既習曲の復習に専念していた。ただし「既習」といっても「仕上げられた」というわけではなく、「暗譜できたみたい」という段階。忘れたら思い出すのに膨大な努力が必要となるので、なんとか忘れないようにするために、復習し続けないといけない。だから、新曲に手を付ける暇はない、というわけ。

でも今回、先生が「そろそろ新しい曲をやろうか? 『大胡笳』なんかどう?」とおっしゃった。以前も同じように言われたことがあって、聴いてみたが、その時は、前に習った曲と似ているし、12頁もあるし……というので「却下」していた。でも、あらためて聴きなおしてみたら、なんかとても変わった曲調で、心にしみてくることに気が付いた。で、一昨日の木曜日から新曲に挑戦ということになった。

唐の時代の琴家、董庭兰によって作られたと言われているこの曲にも、歴史的な故事がまつわっている。(以下先生からの受け売りとウェブ情報)それは、漢末期(後漢~三国時代)の才女、蔡琰(文姬:蔡の娘)が、北方の異民族の捕虜となり、12年を過ごし、かの地の地方豪族(?)の妻として二人の子供をもうけたあと、父親と親しかった曹操の助力により帰国するが、子供たちとは離別を余儀なくされた、という話。

文姬は博学多才で、音楽もよくし、父が古琴を弾いている時、突然切れた弦がどの弦であるかを言い当てたという有名な逸話がある。当ウェブ管理人も、こちらの逸話は知っていたが、胡人に連れ去られたことや、曹操に助けられたことなどは知らなかった。興味深い。

で、古琴曲に話を戻すと、蔡文姬が去ったあと、胡人たちは彼女を忍び、胡笳(笛の一種)を奏でた。その話をもとに作られたのがこの曲、と、だいたいそのような話らしい。(もっと調べてみて、追加・訂正があったら追記します。)

先ほども言ったように、教則本で12頁もあるから、暗譜はほぼ不可能……。YouTubeにあがっている動画でも、全曲弾いているものはない。上の動画も、全曲ではない。それでも10分以上……。いつ曲の最後まで練習できるのかわからないけれど、とりあえず、「新曲練習始めました!」というご報告まで。

 

 

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