龚一老師のお弟子さんの、陈成渤という古琴の先生が書かれた『古琴練習方法』という文章をウェブで見つけた。独習に行き詰まりを感じている今、読み返して自分の肝に銘じたいと思う。
1.何度も聴く
お手本とする演奏を見つけて、旋律が口ずさめるくらい、何度も繰り返し聴く。
2.その曲について詳しく調べる
背景となる事柄を学んだり、曲の意味を理解するよう努める。段落同士の関係はどうなっているか、右手の強弱、音色の処理、速度などはどうなっているか、その曲の基礎となることをきちんととらえる。
3.暗譜する
古琴は左手の位置で音程が決まるから、しっかり左手を見ることができるように、楽譜は完全に覚える(もちろん、この前に、すべて通して弾けるようになっていることが前提)。
4.指使い(指法)を確認する
楽譜に示された指使いは、多くの先人がいろいろな試みを通して「最善」としたもののはずだから、自分勝手な指使いはせず、常に元の楽譜を確認する。
5.一つの曲を練習した回数を数える
陳先生は生徒に、二百回練習したら次のレッスンに来るようにいつもおっしゃっているそうだ。練習回数が、300~500回になると、基本的な弾き方ができてくる。
6.練習回数の数え方
だいたい500粒ほどの豆を入れた瓶と空の瓶を用意して、一回弾くごとに豆を移動させる。豆が入っていた瓶が空になったら500回達成! もちろん「正」の字を100回書くという方法もいい。
7.部分強化練習
一つの曲の中でも部分によって難易度が違う。全体を漫然と弾くのではなく、むずかしいところを集中的に練習する必要がある。一時間練習するのなら40分はこのような強化練習にあてるべき。
8.速度を変えて練習する
速く弾くべきところをゆっくりていねいに弾いて練習する。遅く弾くべきところを速く弾いて練習する(この部分日本語訳自信なし)。例えば、『梅花』第5段は♩=50~100を行ったり来たりしつつ練習する。
9.手元を見ずに弾く
言わば「目をつぶって弾く」この練習の方法はとてもおもしろい。慣れるまでは非常にむずかしいが、この練習ができるようになると、手元を見ながら弾くときに問題が起こる確率が大幅に減る。
10. 頭の中で弾く
頭の中に古琴と自分の手を描き、旋律を思い浮かべて「弾く」。これはまず暗譜に大きな効果がある。次に曲の理解が深まる。普段の練習では思いもよらなかったことが見えてくるようになる。
先生のお話は以上。
◇参照させていただいたブログのリンク: https://zhuanlan.zhihu.com/p/30054732
私は1(聴く)でつまずいている? 旋律、独りでは歌えないもの。まだまだ聴く回数が足りない。そして、2(研究)はいつも途中で挫折する。早く弾き始めたくなるから。3(暗譜)も苦手。短い曲を覚えたとしても、数日弾かないと忘れる。大曲はまず暗譜が無理。これ、年齢のせいにしてはだめぇ~??……4以下は言わずもがな。こんなことで古琴ファンを自称していいのか!
一か月以上弾かなかった『大胡笳』と『离骚』、驚くほど忘れていて、それを思い出そうと練習していたら、『广陵散』が頭から抜け出た。一体、どうしろというのか!
いやいや、陳先生の言葉に耳を傾け、細々とでいいから、コツコツマイペースで続けよう。古琴、大好きだもの♡