帯にある通り、「読み終えるまで眠れな」くて昨夜2時半まで、四時間かけて一気に読破した。これまた帯にあるように、「すべて濡れ衣だった」という結末はわかっているし、タイトルやサブタイトルからいわゆるモンスターペアレントの話だとは察しがつく。それでも、読み始めたらやめられなかった。
虚言癖のある人を知っている。人を欺くことにまったく抵抗がない。時には嘘をついている意識すらない。嘘を本当に見せるために、「証拠」をねつ造したり、善意あるいは悪意の「共謀者」に話を合わせてもらう「工作」を、なんのためらいもなく行う。そういう人と、それと同類の人たちを知っている。だから、この本の「原告」たちのような人が存在していて、今もまったく何事もなかったかのようにのうのうと暮らしているだろうことは容易に想像がつく。
子は親の鏡とよく言う。本当にそうだなと思う。子は親を見て同じように育つ(ことが多い)。いつも嘘をついてばかりいる親のいる家族は、おたがいに嘘を付き合って生きている。それがわかってはたから見ていると、滑稽にも思えるが、恐ろしい。
十年後に教師の「冤罪が晴れた」ことが大きな救い。