古琴検定試験(シンガポール)

コロナ前、まだレッスンを受けていた頃に、中国民族管弦楽学会という団体が主催する、「社会芸術水平考級」というテストを受けたことがある。それで、成績はあまりよくなかった(『流水』で撃沈!)が、一応8級合格という証書をもらった。

それ以来、自習生活に入ってしまったし、そもそも「試験」と名のつくものがすべて嫌いだから、「生徒はみんなとるんですよ~」という、先生からの無言の圧力がない限り、とる気はしない。

でも、最近、ぬるま湯の自習生活にどっぷりつかって、モチベーションをすっかり失っているし、先輩が「新しいシステムになったし、コロナ禍の今は、自分でビデオに撮って送ればいいんだよ~」と言っていたので、これはいいチャンスかも?と思って、調べるだけ調べてみた。

Teng(鼟)という非営利団体が主催していて、シンガポールだけではなく東アジアで手広くやっているみたいだけれど、団体の情報はあまりウェブにはなかった。で、ほかの団体で8級をとっていたら、その上の級を受験できるみたいだったのだけれど、その課題曲として、下のリストの中からなんと3曲(!)を選んで、全曲弾かなければいけないらしい(今回、ビデオでOKなのかどうかははっきり書いてなかった)。

リストの中の曲のうち、『龙翔操』『大胡笳』『离骚』は確かにレッスンで習った。でも、先生が上海の学校との掛け持ちをすでに始めていた時期に習ったから、最後の二つはろくに見てもらっていない。(あと一曲、独習中の『广陵散』は問題外……。)

そもそも、これ、3曲弾いたら最低でも45分くらいかかる……。こんな試験ってある? 前の試験の場合、課題曲はどれも10分くらいの曲で、5分くらい弾いたら「好」と言われて止められるという感じだったけれど、今回はどうなんだろう? ビデオだったら、全曲弾くしかない?!?!

それに、この級は一応師範級みたいで、受験料が600ドルもかかかる。早割でも490ドル。高っ! これがダメ押しになって、「や~めた」となった。

もう少し安い下の級を受けようかとも思ったけれど、調べているうち、「やっぱり試験ってやだ」と思ってやめた。

でも、自分のためのモチベーションとして、この3曲をしっかり復習するという目標を立てようと思う。試験は12月だから、それまでにしっかり暗譜して、心静かに弾けるようにしたい。