古琴曲『渔樵问答』

一般に中国古典十大名曲と呼ばれる曲の一つ。この十大名曲のうち当ウェブサイト管理人がこれまでに習ったのは、この曲のほかに『平沙落雁』『流水』『梅花三弄』の三曲。古琴曲ではあとかの有名な(!?)『广陵散』があるが、これはおそらくあと十年修業しないと手を付けることができないと思うので、ちょっと間に合いそうにない。

この曲の楽譜が最初に見えるのは明代に編集された楽譜集の中なので、その頃に作られたと考えられる。タイトルの通り、漁夫と樵(きこり)の対話がテーマ。昔の中国の多くの文人たちの理想は、自然の中で魚を採ったり木を切ったりして静かに暮らすことだったから、この曲は一つの理想を描いたものとも言える。実際、同じテーマで詩や絵もよく描かれている。

このビデオの中で演奏していらっしゃる龚一老师は、YouTube上で「古琴講座」をしていらっしゃる。中国語なので解説は95%理解不能なのだけれど、弾き方を見るのはとても勉強になる。この曲には30種類以上異なる楽譜があるそうだが、ここで使われているのは『琴学入門』にある、吴景略老师の演奏に基づいた楽譜。そのご本人の演奏もお聴きください。

古琴曲『忆故人』

この曲は『山中思友人』、『空山憶故人』などと呼ばれることもある。なんと、後漢末期の儒家、書家であり古琴の名手であった蔡邕(さいよう)の作という言い伝えがある。そうなると、1800年以上前に作られたことになる! 今一般に弾かれているのは1937年刊行の『今虞琴刊』という本に掲載された楽譜に基づいたもの。

この曲名の中の「故人」という言葉は、日本語のように「亡くなった人」の意味ではなく、長い間会っていない親しい友人という意味。月明りに照らされた山中を歩きまわりながら懐かしい友を思う気持ちが込められている曲だ。大好きな成公亮老师の演奏のものは、当ウェブサイト管理人には深い悲しみに満ちているように聴こえる。動画のサイトはリンクが貼れなかったので、音だけをお聴きください。

管理人は弾いているとどんどん悲しくなるのだけれど、先生に「悲しくなりすぎ」と言われた。そして論語の「乐而不淫 哀而不伤」という言葉を教えられた。「楽しんでも正を失わず、深く憂えても和を害さない」という意味らしい。平穏な心で弾けたらいいな!

イレコミ君ではじめての開封動画?

「イレコミ君」ではじめて「開封動画」を作ってみた!

実は最近、「にわか横浜(ベイスターズ)ファン」になっている。野球は基本的なルールがかろうじてわかる、数少ないスポーツの一つだが、ともかくスポーツを観戦して応援するという習慣が管理人にはない。でも、最近、古くからベイスターズファンのMちゃんに続いて、Kちゃんまでもがファンになって、毎日の結果を聞かされているうちに、観てみるかな?と思った。

今月はじめの「交流戦」から見始めたのだけれど、その頃セリーグで同率3位でがんばっていたベイスターズが今は単独2位。まだまだ先が長い(どれくらい長いのかは不明)からここで喜んでいてはいけないらしいが、毎日の勝ち負けに一喜一憂している。

で、一昨日Kちゃんちに遊びに行ったら、ちゃっかりベイスターズグッズを手に入れていて、その中で「イレコミ君」というのをくれた! Mちゃんに聞いたら復刻グッズらしく、仕掛けはごく簡単。電池もつかわない「手動」で顔が四変化する。いいじゃない! こういうレトロなグッズ!

 

古琴曲『桃园春晓』

6月に練習を始めた『醉渔唱晚』にまだ手こずっている。ただ「レーミーレ」と弾くだけなのに、ごくはじめのところに出てくる、おそらく舟の櫓をこぐ感じ(?)の繰り返し箇所がうまく弾けない。とても大事な箇所だと思うのに!

で、半分あきらめて、常に課題となっている「既習曲の復習」を始めた。そのうちの一つが、だいぶ前に習った『桃园春晓』。大好きな成公亮老师が打譜・記譜なさったもので練習させていただいた。彼の演奏も大好き。心がやわらぐ。

この曲は、タイトルからも想像されるように、東晋末期の詩人、陶淵明の有名な詩『桃花源記』に描かれた世界を題材としている。詩の内容は――あるとき漁夫が道に迷い、人里離れた村に迷い込んだ。そこには秦の時代に世俗から逃れた人々が、外界との接触を断って平和な日々を送っていた。漁夫は太守に知らせようと、道すがら印をつけながら戻ったが、その村を再び見つけることはできなかった――といった感じ。これがユートピアを表す「桃源郷」という言葉の由来となった。

古琴曲も「泛音」と呼ばれるハーモニックスが多用されていて、静かですがすがしい空気感が満ち溢れている。この曲を成公亮老师の演奏に合わせて練習したら、俗世界の苦しみを忘れられるだろうか?

ラズベリーパイという名のコンピュータ

ラズベリーパイ公式サイトでまず実物の写真を!

知る人ぞ知る「コンピュータ」らしいが、最近Kちゃんがはまっている小型コンピュータが何だかすごい。ラズベリーパイというかわいい名前のこのコンピュータ、何がすごいって、ミニチュア好きの管理人にとってはたまらない手の平サイズ!

今どきのラップトップは小型だから、中身はこれと同サイズとかもっと小さいのだろうけれど(文系管理人にはその辺はよくわからない)、基盤むき出しで、ここが何、このソケット(?)が何につながる(「何」部分が何かは名前を聞いてもよくわからないのだが)……といった具合に、コンピュータの「中身が全部見える!」。だから、子供たちのコンピュータ学習用にもよく使われているらしい。

「小学生にわかるなら、70のおばあさんにもわかるはず……」と、いつもの短絡思考で、ウェブ上でいろいろ読んでみたが、結果、小学生と70のおばあさんは脳内コンピュータのバージョン、処理速度がまったく異なることを再認識させられただけに終わった。

でも、でもぉ~これかわいくないですか? Kちゃんがラズベリーパイでちゃちゃちゃっと作ったミニコンピュータ。


何がかわいいって、このディスプレイ、たったの7インチ! キーボードも手のひらサイズ! これでコンピュータの機能満載! ま、iPhone のほうが全然ちいさいじゃん、と言われればそれまでなのだけれど。

……なんでこんなに興奮するのかよくわからないけれど、たぶんミニチュア好きと、「ブラックボックスの正体が知りたい」欲がすごく刺激されるのだろうと思う。惜しむらくは、老眼で白内障、飛蚊症ブンブンの眼ではかなりきびしいフォントサイズであること……嗚呼!

クイーンとエルトン・ジョンのマネジャー

エルトン・ジョンの半生記を描いた映画『ロケットマン』を観た。彼の歌を織り込んだミュージカル風の映画だったので、個人的にはちょっと苦手だった。でも、映画の中に出てきた悪徳マネジャーが、なんだかクイーンのフレディ・マーキュリーを堕落させた(ように『ボヘミアン・ラプソディ―』に描かれていた)マネジャーと同じ印象だったので、インターネットでちょっと調べてみた。

そうしたら、そのマネジャー(ポール・プレンター)とは違ったのだけれど、別の時期のマネジャーで、フレディにソロ活動を勧めて断られ、けんか別れをした(と映画では描かれていたが実はそういう事実はなく、友好的な別れ方をした)マネジャーと、エルトン・ジョンの悪徳マネジャーとが同一人物だったことがわかった!

ジョン・リードという名前のその人は1970年からエルトン・ジョンの恋人で、1973年から1998年までマネジャーをしていたが、同じ時期、1975年から1978年まではクイーンのマネジャーもしていた。その間にクイーンは大きな成功を納め、エルトン・ジョンはそれが気に入らなくて、クイーンがマネジャーを変えた一因はそのあたりにもあったと書いてある記事もあった。

いずれにせよ、世界の音楽界を揺るがせていたアーチストたちのマネジメントを同時にやるなどという人間は「凄腕」には違いない。でも、多くのインターネット情報で知らされているように、エルトン・ジョンにとっては本当に悪徳マネジャーで、結局は彼のお金を使いまくっていたことがバレて裁判沙汰となり、高額の賠償金を払っている。つまり、実際には、『ロケットマン』にあった捨て台詞のように「おまえが何と言おうと、おれはおまえの儲けから永遠に20%もらい続けるんだからな」とはならなかったということらしい。

ジョン・リードは現在はオーストラリアあるいはイギリスに住んでいると言われているが(行方不明という記事もあり)、どちらの映画に関しても何のクレームもコメントもなかったらしい。

以上、Rocketman:Why Elton John’s Manager Was So Different In Bohemian Rhapsodyという英文記事を主に参考にして書かせてもらった。

 

『生き方』サンマーク出版

日本を代表する大企業、京セラ、KDDIの創業者にして、日本航空の会長も務めた企業人、稲盛和夫さんが書いた「生き方」。「ビジネスマン」嫌いの管理人がなぜこんな本を買ったかというと、本屋さんでパラパラとめくった時、最初に目に入ったのが次の一節だったから。「嘘をついてはいけない、人に迷惑をかけてはいけない、正直であれ、欲張ってはならない、自分のことばかりを考えてはならないなど、だれもが子どものころ、親や先生から教わったーーそして大人になるにつれて忘れてしまうーー単純な規範……」この一節を読んで、「まったく同感!」と思うと同時に、こんなことを堂々と本に書ける人ってどんな人だろうと興味がわいた。

出家をしているという稲盛さんの言葉。「ん?」と思った箇所もなかったわけではないけれど、あちこちに珠玉の言葉がちりばめられていて、本は付箋だらけになった。凡人にはとても届かない高みにいる人なのかもしれないけれど、それでも、生まれた時より少しでも「まし」な人間で死ぬことが人間に与えられた役目である、という彼の考えに従えば、まだ自分にも希望があるのかもしれないと思う。

『星の王子さま』岩波書店

50年以上前に姉から贈られた本。とても好きな本の一冊。これまで何度も読み返した。いろいろな国の言葉のものがほしいなと思って、チャンスがあるたびに手に入れたので今は日本語以外に六冊。左上から時計回りに、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、韓国語。そのうち、原作のフランス語と中国語のものは読んだ。

そして、今日、棚から見つけたのがレコード。昨日の友達からのメールに、「ジェラール・フィリップの『星の王子さま』の朗読をYouTubeからダウンロードして、フランス語を復習しようと思う」と書いてあったのを読んで、待てよ? 私はたしかレコードを持っていたぞ! と思って探したら見つかった。

そして、去年手に入れたレコード・プレーヤーで聴いてみた。すごくいい。お話の筋はほぼ頭に入っているし、おそらく当時、何度も聞き返したからだろう、フランス語がかなり聞き取れて、びっくりした。もう何十年も使っていない言葉なのに。バラやキツネとの王子さまの会話に胸が震え、最後、王子さまが「星に戻っていく」シーンでは涙が出た。

また書籍に話を戻すと、版権が切れた数年前から、何人もの訳者がこの本を訳している。今ちょっと音読してみたら、オリジナルの訳本は、ちょっと言い回しがむずかしいところがある。新しい訳も読んでみたい。

今気が付いた。今日は7月14日。フランスの革命記念日。フランスにとって大切な記念日に、フランス文学の名作を紹介することになったのは奇遇(?)。

 

 

古琴演奏台を組み立てる

東京滞在中に、古琴を練習するための机と椅子を購入した。自分で組み立てられるかすごく不安だったけれど、幸いパーツの数も少なくて、どれもあまり重くなかったし、工具も不要で、すべて手で組み立てられたので、30分以内で完成! ちなみに買ったのは『春風秋月』という古琴のグループがやっているお店。ウェブで見つけて電話をしたら、とても親切な先生が対応してくださった。これで、ご飯を食べるときに毎回古琴を食卓から片付けなくてすむ!

折り紙で鶴を折る

一か月ぶりの「小さな幸せチャンネル」の動画投稿。その間に帰京があったり、体調を崩したり、仕事が入ったり……といろいろ言い訳はあるのだけれど、最大の問題は一つの動画を作るのに、とても長い時間がかかること。そして「完璧」を目指していると永遠に公開できないこと……というわけで、今回も見切り発車を決めました。発展途上のYouTuber(?)です。温かい目で見ていただけたらうれしいです。

当ウェブサイトの管理人はミニチュア好きなので、折り紙で小さいものを折るのが大好きです。だから今回も普通の大きさの折り紙から始めて、それを四分の一にする……というのを三回繰り返して、最後は親指の爪の大きさの紙で鶴を折っています。老眼にはかなり厳しい作業でしたが、どうかご覧になってください!