古琴曲『湘妃怨』

『湘江怨』とも呼ばれるこの曲にまつわるお話は、遠く中国古代の伝説の三皇五帝の時代にさかのぼる。中国にはじめて国家を作ったと言われる五帝の一人「舜(しゅん)」は、国の南方を旅行していた時(治水工事などに熱心だったので、視察旅行のようなものだった?)倒れ、帰らない人となった。残された二人の妃、娥皇、女瑛はその死を嘆き悲しみ、その時流した涙が竹の上に落ちて、斑点のついた竹(湘妃竹)が生まれた。その後、二人は湘水に身を投げ、水の神となった。

この古琴曲は二人の妃の悲しみを歌ったもの。いくつものバージョンがあるが、元となる歌は明代に作られたと考えられている。上海音楽学院の教則本の第一曲目。ハーモニクスが美しく、繰り返し出てくる「テーマ」が物悲しく響く。まずはこの曲で基本をじっくり学ぼうと思う。

(続報)実はこの歌には美しい歌詞がついている。歌詞もいくつか異なるバージョンがあるが、そのうちの一つを選んで、カラオケ風の動画を作ってみた。日本語訳は中国語修業中の管理人の個人的見解ですので、その点ご了承ください。