カオスという形の古琴

古琴の形はいくつか種類がある。その中の、混沌(こんとん、カオス)式という形の古琴で、すごい模様(?)が入ったものをはじめて見た。

漆の塗り方が特殊で、八宝灰と言って、鹿の角の粉(古琴を作るときに漆に混ぜる)の代わりに(あるいはそのほかに?)いろいろなものが混ぜられているという話だった。全面に小さな花火が花開いているような、水面下に水草が揺れているような、あるいは、もやもやとした心のような、すごくおもしろい模様が浮き出ている。

丸っこい形もこれまで見たことがなかったので、調べてみたら混沌式という形らしい。なるほど、その名にふさわしい模様だなあ。作者は家族で代々古琴を作っている普通の人で、名前もわからないのだけれど、値段はしっかりしているから、買うのは無理……でも、おもしろいものを見ることができた。

古琴は今、先生が中国だから、ひたすら自習。これまでに習った曲を復習している。そうすると、基本技術が欠如していることが露呈する! どうしたらいいんだろう? だれかにきっちりみてほしい!

新しい古琴の学校を発見

シンガポールで古琴を教えているところを新たに発見した。(スクール全体の情報は右のリンクで→Eight Tones。)

創立2014年のこの学校はかなり古琴に力を入れているみたい。今日は本当は古琴台を買いに行ったのだけれど、結局、台は買わずに、古琴のレッスン情報をもらって、そこで販売している古琴を試しに弾かせてもらった。「音楽耳」を持っていないので、正直に言うと、音の違いはよくわからないのだけれど、一台、見た感じもすごく変わっていて、音もかなりきれい(そうな)古琴があった。見た目に左右されるのは素人の陥りがちな間違いなのだと思うけれど、どうせなら見た目も心が躍るものがいい……という気がする。あ!写真を撮るのをわすれた!

中国の楽器専門の音楽スクールということで、二胡や琵琶なんかもクラスもあるらしかった。日本語のウェブサイトも準備中……と言っていたから、そうなったら日本人の古琴仲間も増えるかな♪ 楽しみ!

 

古琴の弾き方サイト発見!

ずっとこういう情報を探していた。自分で作るしかないか……とも思っていた。でも、今突然思いついて、「古琴の弾き方」で検索してみたら、なんのことはない、あった!

「アジアの楽器図鑑」というウェブサイトの中で、基本的ないくつかの奏法が動画入りで紹介されている。(動画の概要欄にこのウェブサイトへのリンクがあり)。

このサイトの説明には全部読み仮名がふってある(フリガナをなくすこともできる)ので、子供向けの教育サイトなのだとわかる。すばらしい! サイトの「ホーム」へ行くと、実にさまざまな国が並んでいて、どんな楽器があるのか楽しみになる。じっくり読んでみたい。

このサイトは東京藝術大学音楽部小泉文夫記念資料室の企画によって作成されたもの。「クレジット」を見るとたくさんの人たちの協力によってできたことがわかる。多謝!

一番よかった付け爪

古琴を練習するとペラペラになりがちな右手の人差し指の爪。今年の春ごろから、ギターリストのあいだで好評な「アリアの付け爪、接着テープ」と、百均の「付け爪、接着テープ」の両方をいろいろに組み合わせて使ってみた。

結論:百均の付け爪と接着テープの組み合わせが、利便性、コストパーフォーマンスの点から言ってベスト。

「百均」の一番いい点は、接着テープが「はがれやすい」こと。欠点のように思えるけれど、経験から言うと、2,3週間はしっかりついている。そのあとは、一度は「いつのまにかとれていた」のでちょっと「危険(いまどこに貼り付いているかわからない)」だが、付け爪が割れたり、「もうとれそうだなぁ~」と思ったりしたときに、はがすのが簡単で、付け爪にも、自分の爪にも、ほとんど粘着剤が残らない。だから、付け爪の再使用可能。

アリアのテープはすごく薄いし、粘着力が強くていいのだけれど、いちどはがしたら粘着剤が残ってしまい、その爪は使えない。また、粘着力が強い分、付け爪と自分の爪のあいだにゴミがたまりやすく、すぐに汚くなる。

たしかに、百均の付け爪はサイズ違いのものが何枚もセットになって売っているので(アリアはワンサイズだけでも買える)無駄になる分も多い(小指用と親指用はどうしても使えない)が、大きめのものは、両側を切ったり、やすりで削ったりして半分は使えるので、残りを捨てても「もったいない感」があまりない。(環境的なことを考えたら、本当はいけないのだろうけれど……。)

それに、百均の付け爪のほうが多少厚めで、摩耗にも強い感じがする。半年の試用経験をふまえて、当ウェブサイト管理人としては、百均の付け爪、接着テープのほうに軍配をあげる。現在もこの爪で《离骚》を練習中!

折り紙で古琴を作ってみた

管理人の現在の「マイブーム」は折り紙。なので、大好きな古琴と折り紙をコラボレーションさせてみた。まずは古琴の実物。


ネットで買った廉価版古琴だけれど、6年間、毎日管理人を支えてくれている。だから、折り紙ミニチュアハウスにもぜひ置きたかった。で、作ったのがこれ。

古琴台は普通の折り紙一枚、椅子はその半分、古琴はそのまた半分の正方形のものを使って折った。古琴台と古琴(こちらは目分量で「ぐらい折り」で折った)の折り方は管理人のオリジナル。でも台は左右の足が「固定」されていないので、だんだん外側に開いていく…… 改善要!

うーむ。こんなことをやっているのは本末転倒(毎度のことだが)か? 『離騒』の練習は一向にはかどらない。奏法のむずかしさもさることながら、暗譜が極度にむずかしい。そして、最大の問題は、そうしているうちに他の曲をどんどん忘れていくこと。だから、今日の目標は、古琴の調弦を普通に戻して(これがすごくやっかい。うちの古琴は弦を巻く部分がすごく固くて、指を痛めそうになるのです!)、ほかの曲を練習すること。でも、やっぱりまず『離騒』練習したい!

(続報20210503)折り紙古琴、古琴机・椅子の作り方動画できました!

古琴曲『离骚』

いよいよ『离骚』に挑戦することになった。昨日、先生におそるおそる「次は『离骚』を練習したいのですが」と言ったらば、「オーケー、あれはあまりむずかしくないから」という返事。「うっ! (あれがむずかしくない?)」最初のところを少し自習しようとして、すでに挫折していた私は絶句。

でも気を取り直して、最初の3段をビデオに撮らせてもらった。その前に復習演奏した『欸乃』が記憶から抜けている箇所続出で、かなり時間をとられてしまったので、『离骚』は昨日はビデオを撮らせてもらっただけ。さあ、これを見て自習だ!

あ、曲の紹介を忘れるところでした! この古琴曲は、戦国時代楚の政治家で、よく「愛国」の詩人と呼ばれる屈原(BC343-BC278)が書いた長い同名の抒情詩をもとに、晩唐の時代(9世紀後半)に陈康士という人が作った曲。千年ほどの歴史があることになる。はじめて楽譜が現れるのは1425年刊行の『神奇秘谱』。現在よく弾かれているのはこの楽譜集に収録されていて、管平湖さんが譜をおこされた全十八段のもの。当ウェブ管理人にとっては最長の曲となる。さてさて、いつ全部習えることやら……。でも、いちど聴いたら忘れられない(特に屈原の最期の故事とか知っていて、それと重ねると感慨深い)印象的な曲調で、ぜひ学びたい。ではこれから練習しま~す!

古琴レッスン雑感

レッスンの時に、数週間前から『欸乃』の復習をしているけれど、一か所、相変わらずまったく歯が立たないところがある。そこを弾くと先生が苦笑する。でも、どうしようもない。できないものはできない。左手親指で三弦一緒に押さえて、右に移動させながら四弦目にうまくつなげることができればいいのだが、指の長さからそれは不可能だよなぁ……と思う。でも、たぶん指の長さだけはあまり変わらないだろうと思う女性のプロのビデオを観ると、もちろん見事に弾いている。ううぅ……。

ちなみに、弾けないのは、下の楽譜の二段目の最後の小節から、三段目の二つ目の小節まで。川の流れがちょっと急になってグイグイ流れている感じがするのだけれど、私が弾くとシュシュシュ、シュッシュ……ほうきで掃除しているみたい……。嗚呼!

『渔樵问答』のほうの復習は、音程が不正確な箇所があるのが致命的。それから特にスライド奏法がクリアに聴こえない。なにしろ全体的に「クリア感」がない。自分が弾いたものを録音して聴くようにと先生に言われたけれど、それ苦手。自分で聴くためだけでも、録音する、となるとガチガチに緊張する。極度の「緊張屋さん」。だから疲れる。いつでも疲れる。いつも疲れている。なんとかもっと力が抜いて生きられないか!

レッスンのあと、助手の先生と少し話をした。「何度も同じビデオを観て、どうやったらプロの奏者と同じに弾けるか、いつも考えている、夜もそれで眠れない時がある」と言っていた。ものすごくまじめで熱心な先生。『欸乃』もすごく上手! いろいろ見習わなくちゃと思う。

私は最初から、プロの奏者の真似をするなんて無理、と思って、ビデオは観賞用と決めている。それじゃだめなんだ。そんなんじゃ、きちんと弾こうとすると緊張してガチガチになるのがあたりまえ。とても得ることの多い対話だった。ありがとうございました!

古琴曲『平沙落雁』

中国古典十大名曲の一つ。『雁落平沙』という別名もある。鳥と花は中国の文芸、絵画などの題材としてよく登場する。日本にも「花鳥風月」という言葉がある通り、おなじみの題材だ。実はウェブで調べるまで当ウェブ管理人は知らなかったが、この平沙落雁という言葉は日本語の四字熟語にもなっていて、「へいさらくがん」と読む。中国語と同様に「干潟に舞い降りる雁」という意味。中国の山水画の伝統的画材である瀟湘八景(瀟湘地方の八つの景勝)の中の一つだそうだ。その景色を題材に作られたのがこの古琴曲。

残念なことに最初の部分の録音が切れているのですが、晩年の张子谦老师の軽快な演奏を動画でぜひご覧ください。

管理人が習ったのも张子谦老师が伝譜された楽譜だったが、この曲もほかの曲同様、流派によって、年代によって、いくつもバージョンがあるようだ。一番最初に楽譜に登場したのは1634年に刊行された『古音正宗』という本。作曲者としては唐、宋、明などの琴士の名前があげられているが、確定はされていない。いずれにしても、かなり古い曲。

管理人はこの曲も少し前に習ったので、すっかり忘れてしまった! 現在、少しずつ既習曲を復習しているので、いつかこの曲もまた弾けるようになりたい!

久しぶりの自分の爪

3月9日に、ペラペラになっていた右手人差し指に、はじめて「アリアの付け爪」を付けてから5か月半余。その間、ダイソーの付け爪や付け爪用粘着テープも試して、いろいろやってみた。最後に試したのはダイソーの付け爪にアリアの粘着テープという組み合わせで、次に、これまでで一番よかった感じのする「ダイソーの付け爪+ダイソーの粘着テープ」を試そうと、数日前付け爪をはがしてみたら、下の自分の爪がしっかりしていた!

調べてみたら、管理人の年齢だと手の爪が全部生え変わるのに半年くらいかかるらしい。だからようやく、「ペラペラ部分」がなくなってほぼ全部生え変わったのだろう。途中で何度か付け爪なしの期間も設けているので、爪の厚みは十分とは言えないかもしれない。それで、「爪の補強用」というマニキュアをつけて練習を開始した。

すると、数日練習すると、人差し指の一部(アリアの付け爪が欠けたあたり)のマニキュアがはがれた。やはりこの部分が一番摩耗するということなのだろう。はがれたらそのたびに、この部分だけマニキュアで補強する、という方法でしばらくやってみようと思う。願わくば、自分の爪で思いっきり弾けるようになりますように!

古琴ひたすら復習

新曲は3か月近く前に始めた『酔漁唱晩』を「一応」弾けるようになったところでストップ。そのあと東京に一時帰国やら、先生の演奏旅行やら、取材やら……先週は先生が主催者の一人となった「古琴フェスティバル」があって、先生も助手の先生も大忙し。私も珍しく編集の仕事の締め切りに追われたりしてストレスが限界に来ていたから、これ幸いとこの二か月余、ひたすら復習していた。楽しい。古琴を弾いていると何もかも忘れる。

実は今、このあとに、長~い文章を書いたのだが、間違えて削除してしまった。また同じ文を書く気力がない(二日前食中毒?で腹痛と下痢でひどい目にあい、まだ回復中)ので、結論だけ書くと、古琴には「精進」という言葉が似あうという話。はい、今日も精進、精進。これから『龙翔操』の復習しま~す!

今日紹介するビデオは大好きな成公亮老师の講演のビデオ。40分もあるので、全部は見ていただけないと思いますが、貴重なビデオだと思うので、ぜひ少しだけでもご覧ください。このビデオの中国語が聞き取れるようになること、それが管理人が中国語を習っている理由の一つです。

いつもiPhoneで観ていたから気が付かなかったのですが、今、コンピュータでビデオを観てびっくり! 歓喜! 中国語の字幕がついている! わ~い! これで少し聞き取れるかもしれない!